Life is a journey

気の向くままに綴る40代士業の旅日記

不良鑑定士四国を歩く DAY1 その1 お遍路のはじまり

長い長いバスに揺られ、6時半、徳島駅前に到着した。

よせばいいのにドラクエウォークのお土産をタッチしに阿波踊り会館に向かう歩道橋、

ふくらはぎの裏側がピキッとなる。「逝った」肉離れだろうけどなんとかなるだろうか。

 

7時ごろ徳島駅から1番札所のある「坂東」駅を通る電車に乗る。

出発の地だけあって数名のお遍路さんが道場していた。

 

「坂東」駅に着くと春の朝らしい澄み切った空気が流れており、これから始まる旅に心が躍る。

 

10分ほど歩くと山門に到着、

1番札所 霊山寺

参拝の仕方もまだ分からないので見様見真似でやってみるが早速しくじった。

伽藍右手の大師堂を先にお参りしてしまったのだ。

そんなキョドッたましゅを君をみて1人の尼僧が声をかけてきた。

「どちらから?」「東京からです(言いたくない)」

「遠くからご苦労様です。これをお持ちなさい」と、数珠を下さった。

「途中で切れても心配しないでね、あなたを守ってくれたということだから」

初めてのお寺、初めてのお接待に感動した。

 

納経をしてもらい、お遍路グッズをチェックして次の寺を目指す。

(お遍路グッズは全て事前に整い済み)

 

2番札所 極楽寺

霊山寺を後にしてほどなく極楽寺に到着した。

赤い山門が江ノ島駅のような雰囲気。こちらの札所は山門をくぐると右手に階段があり、

その上に本堂と大師堂が配置されていた。朝の日差しの中で、少し高いところから吸う空気は

とても気持ちいいものだった。

 

3番札所 金泉寺

お大師さまが杖をつくと泉がこんこんと湧き出し金泉寺 的なお寺。

遍路道を歩き、お寺の裏側から入る。こちらも雰囲気の良いお寺。

お参りを済ませ、納経所へ。菅笠がわりのKAVUチルバを褒められる。

軽量で農作業などに良いものを、今回のお遍路で取り入れたのだ。

 

4番札所までは少し距離がある。

途中別格愛染院にて御朱印をもらおうと立ち寄る。が、不在らしく、記帳済みの紙だけもらう。

3番を出る時、4人くらいいた女子をぶっちぎりで置いてきたつもりが先についていた。

遍路道を通ると近かったのだろう。ましゅを君はGoogleマップを使っているので見落としたっぽい。

風情のある遍路道も見落としてきたのだろうと思うと少し寂しい。

 

4番札所 大日寺

白い石が敷き詰められきれいに整ったお寺。観光地っぽい雰囲気。

観光バスで到着したおじいさん集団が大きな声で「南無大師遍照金剛」と唱和する。

正直、すっげえうるさいなと思いながら参拝をする。そろそろ慣れてきた。

 

長いのでその2に続く

不良鑑定士四国を歩く DAY0 出発の日

40代となり、仕事や家庭もだいぶ落ち着いてきた…

幸せなことにクライアントがいて、それなりに仕事を評価され、

妻との生活も楽しくなんの不満もない生活をさせてもらっている。

 

コロナ禍で海外旅行に行けなくなった今、インバウンドのいない国内旅行を満喫している。

航空会社やホテルのステータスに目覚め、普通では乗れない飛行機、泊まれないホテルにも

ある程度自由に泊まらせてもらっている。

 

昔からなんの不自由もない生活をさせてもらい、これといった欲も持つこともなく、それゆえに

心から渇望していたものがあった。それは苦行である。

本当に苦しいのは嫌、、でもキツい想いをして乗り越えたい。買ってでも苦労したい。

そんなましゅを君が昔から挑みたいと思っていたものがある。それが「お遍路さん」である。

 

歩き遍路で40〜50日かかるこの修行は、サラリーマンや顧客を持って仕事をする人にとっては

ややハードルが高い。もちろん、移動費や宿泊費などでお金もかかる。

定年後の楽しみとしていつかやりたいと思っている人は多いだろう。

「誰でもな、みんなお前みたいにやりたいと思っているんだよ」

「でもな、できないんだよ。将来のことや家族のこと、いろいろあってな。できないんだよ。」

「歳取ったら今度こそって思うけど、その時には大したことできなくなっちゃうんだろうな」

「俺は人生なんてそんなもんだと思う。・・・思うことにした。」

エリートの地位を捨てて民宿にバイトにきた青年に勤務先の部長が投げかけた言葉だ。

ちなみにビーチボーイズの第3話だ。

 

25年も前のドラマだけど今でも心に残っているエピソード。

働き方や価値観が大きく変わったこの四半世紀だけど部長の言葉の重みは変わらないと思う。

でもあれからネットが普及し、どこでも仕事ができるようになり、そしてこのコロナ禍だ。

あれ?いくなら今じゃない?やるなら今しかねえ!今でしょ。

と結論に達し、妻のお許しも得て、旅立つことに決めた42歳の冬のこと。

それから夜もお遍路計画を立てるのが楽しかった。

【お遍路ルール】

区切り打ち 何回かに分けていく

・歩けるところは歩く 日程的にキツければ公共交通機関、レンタカーを活用

・無理しない 危ないことしない

・シンプルに旅をする こだわらない

・心を込めてお参りをする

これだけを胸にたたきこみ、

3月22日 21時15分発 琴平バスに乗り、バスタ新宿を出発した。

約9時間のバスの長旅になる。

 

今日から私、お遍路さんになる。